さようなら、ありがとう、ボーネン。

トム・ボーネン選手は、まぎれもなく私のアイドルのひとりである。

ベルギー出身の選手で、ロード選手の中では長身の190cmの身体を活かし、驚異の記録を打ち立てた。

ベルギー最大のレース、ロンド・ファン・フラーデレンに3回優勝、北の地獄と呼ばれる、パリ~ルーベでは歴代最高の4回の優勝に輝き、世界チャンピオンにもなっている偉大なロードレーサー。

私がロードバイクを見始めた頃、その巨漢をいかし、ぐんぐんと加速していく様は、トルネード・ボーネンの異名通り、嵐の様な走りっぷりに、ドキドキワクワクしたものだ。

そのボーネンが、今年の4月に行われたパリ~ルーベで、現役生活にピリオドを打つ。

その屈託のない笑顔、チームの仲間からも愛されるエースとしての人間性、そして我々を魅了するパフォーマンスで、ベルギーでは国民的アイドルである。

時にプライベートでは、大好きなスポーツカーを乗り回し、交通事故起こしてポカやったりしますけど、そんなやんちゃぶりも許せる人柄。

ラストランとなった今年のパリ~ルーベ。

前人未到の5度目の勝利に向かって、ひた走りましたが、勝負に絡むことは出来なかった。
チームはボーネンの勝利のために一丸となってアシストにまわる。
ボーネンはそれに応えようと最後の力を振り絞り走る、走る、走る!

先頭でゴールを切れなかったが、最後の彼の雄姿はしっかりと堪能できた。

昨年はカンチェラーラが引退し、今年はボーネン。

次々と私のアイドルがレースシーンから姿を消すのが寂しい限りですが、彼らに負けず劣らず、すばらしい走りを魅せてくれる選手は、確実に芽吹いています。

これからも私の中のアイドルを探しながら、大好きなロードレースを楽しもう。

引退後は、好きなスポーツカーに思う存分乗ってね。
でも、スプリンターだからと言って、スピードの出し過ぎはダメだぞ!

 

ありがとう、ボーネン。

お疲れ様でした。

余談ではありますが、私の部屋にはベルギーチャンピオンジャージに身を包み、颯爽と走るボーネンの写真が飾られている。
もちろん、撮影は砂田カメラマンです~

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